EMSへの対応 応用編1

引き締め効果

1.体幹を引き締める


2.太もも、二の腕を引き締める

ロコモティブシンドローム対策

1.体幹を鍛える

筋肉が少なく脂肪が多い「サルコペニア肥満」

2.骨盤底筋群を鍛える


他のEMS機器との違い

  1. 高周波数40,000Hz~80,000Hzを搬送波として活用
    • 深部筋(インナーマッスル)に刺激を与えて、筋収縮を起こす。
    • 深部筋(インナーマッスル)に刺激を与えて、体幹を鍛える。
    • 深部筋・内臓筋に刺激を与え、自律神経の調整を図る。
  2. 高周波搬送波により直流特有の不快な刺激がなく、特殊な波形処理により、皮膚のトラブルを防止できる。
  3. 極性(+、-)が固定されており、極性固定による特有の電極流通作用が出現し、陰極(-極)鎮静作用、陽極(+極)興奮作用が起こり、極性を利用したケアが出来る。

通電初期の物理化学現象:分極作用

※通電初期には電極が(+)ならそれと逆の(-)の電気が皮下に起こる。しかし、通電を止めると直ちに消失する。

通流電極作用(第3作用)

極性のあるやや大きい電流を数分間以上通電すると「通流電極作用」が発現し、通電を止めても効果は長時間残留する。


※通電後数分間経過すると皮下の極性が転換し、+極には(+)が-極には(-)が起こる。(シェミンスキーの極転換現象1930)

運動療法に代わって行ったEMSの結果

6名(女性5名 男性1名)の体重・体脂肪・BMI・筋肉率・ウエストを以下グラフにまとめた。

 

3月 4月 5月 6月 7月 8月 合計
77歳
Aさん
64.9 63.5 63.0 61.7 60.9 59.5 -5.4
76歳
Bさん
72.3 70.4 68.2 67.0 66.3 64.8 -7.5
72歳
Cさん
66.3 64.2 63.9 63.5 62.0 59.8 -6.5
70歳
Dさん
68.3 66.8 65.7 65.7 65.3 64.4 -3.9
69歳
Eさん
69.1 67.4 66.6 65.1 64.4 63.9 -5.2
39歳
Fさん
83.1 78.3 75.5 73.1 71.9 70.8 -12.3
平均 -6.8

 

3月 4月 5月 6月 7月 8月 合計
77歳
Aさん
39.0 38.5 37.9 37.0 35.5 34.7 -4.3
76歳
Bさん
39.9 38.0 36.4 36.0 35.8 35.2 -4.7
72歳
Cさん
41.0 38.8 39.1 38.6 38.4 37.1 -3.9
70歳
Dさん
40.7 39.5 38.4 38.3 37.9 37.1 -3.6
69歳
Eさん
37.5 37.3 37.2 36.4 37.0 35.6 -1.9
39歳
Fさん
21.8 21.1 18.9 18.1 16.0 15.4 -6.4
平均 -4.1

 

3月 4月 5月 6月 7月 8月 合計
77歳
Aさん
30.0 29.3 29.2 26.6 28.2 27.6 -2.4
76歳
Bさん
30.3 29.3 28.4 27.9 27.6 27.0 -3.3
72歳
Cさん
28.7 27.8 27.7 27.5 26.8 25.9 -2.8
70歳
Dさん
31.2 30.5 30.0 30.0 29.8 29.4 -1.8
69歳
Eさん
27.7 27.0 26.1 26.1 25.8 25.6 -2.1
39歳
Fさん
24.1 23.3 21.7 21.7 21.4 21.1 -3.0
平均 -2.6

 

3月 4月 5月 6月 7月 8月 合計
77歳
Aさん
98.5 96.6 95.5 93.7 91.9 89.5 -9.0
76歳
Bさん
98.1 89.7 88.4 87.3 86.9 86.3 -11.8
72歳
Cさん
99.1 95.6 92.3 90.3 89.1 88.1 -11.0
70歳
Dさん
88.2 87.8 87.6 85.2 84.8 83.6 -4.6
69歳
Eさん
92.3 91.8 90.5 89.3 88.8 87.2 -5.1
39歳
Fさん
92.5 90.3 88.5 85.2 83.8 81.8 -10.7
平均 -8.7

 

3月 4月 5月 6月 7月 8月 合計
77歳
Aさん
23.2 24.1 24.8 25.7 26.9 27.3 4.1
76歳
Bさん
21.8 22.7 23.9 25.5 25.9 26.3 4.5
72歳
Cさん
22.6 23.6 24.3 24.8 25.8 26.8 4.2
70歳
Dさん
23.8 24.3 25.2 25.6 26.2 26.6 2.8
69歳
Eさん
24.3 25.2 25.5 26.3 26.5 27.2 2.9
39歳
Fさん
26.9 27.2 28.3 29.1 30.3 30.7 3.8
平均 3.7

 

①から⑤のグラフをみても分るように、全ての項目で好結果が現れた。特に女性では76歳Bさんが体重-7.5kg・体脂肪-4.7%・BMI-3.3・ウエスト-11.8cm・骨格筋率+4.5%であった。Bさんは糖尿患者であるが積極的に参加し、毎日来院された結果である。
男性では39歳Fさんが体重-12.3kg・体脂肪-6.4%・BMI-3.0・ウエスト-10.7cm・骨格筋率+3.8%であった。
Fさんも毎日来院され、仕事での活動範囲も広いため、好結果が現れた。
個々の疾患でも、体重減少・筋肉率増加により「歩行が楽になった」「血糖値が下った」「腰痛が楽になった」等の声が聞かれた。

まとめ

今回の検証で、高周波電気刺激装置での減量は可能であった。
大きな腹部筋に高周波電気刺激装置をあてる事で筋収縮が起こり体内のエネルギーを燃焼させ筋肉増加率及び体脂肪減少に繋がったと考えられる。
もちろん、食事の改善も大きく影響したと考えられる。食事による減量方の内容として、食後30分から60分血糖値を急激に上昇させない為に、先に食物繊維を摂取する事をお願いした。

 

糖尿病患者及び予備軍患者の場合、食後30分から60分で血糖値が急激に上昇するためインシュリンの分泌量が増える。その結果肝臓・膵臓への負担が増加し、やがてインシュリンを分泌することが出来なくなり、この様な状態が続くと外部からの摂取が必要となる。
そうならない為に先に食物繊維を摂取する事で、食後の血糖値増加を緩やかに上昇させ、急激なインシュリン分泌を抑えた。
運動による減量が困難な患者には今回検証したような高周波電気刺激装置及び食事療法により、運動可能な状態に回復させ、継続的な運動療法に移行する。
そのことによって、持病の再発防止に繋げていくことが、高齢化社会において肝要であると思われる。