EMSバイオトレーナー 利用例
EMS利用実験
電気刺激装置バイオトレーナーシリーズは深部筋(インナーマッスル)への作用により、身体機能の向上、体幹の安定、関節可動域の拡大、姿勢矯正等、深部筋(インナーマッスル)強化による効果が報告されています。
今回、骨粗鬆症の予防を目的とした骨量維持法に使用できないかとのテーマを掲げて動物実験(ラット)において骨への電気刺激による骨量維持法の実験研究を行いました。
実験項目は以下の通りです。
- 加重低減状態におけるラットの骨構造に及ぼす鍼及び経皮通電刺激の影響比較
- 異なる電圧の経皮通電刺激がラットの加重低減に伴う骨量減少抑制に及ぼす効果の比較
- 異なる周波数の搬送波による経皮通電刺激の骨量減少の抑制効果の比較
尚この研究は東京都中小企業振興公社平成30年度の助成事業として東洋大学ライフデザイン学部との共同研究で、研究期間2018年7月1日~2019年6月30日に行われました。
詳細は資料「大島製作所受託研究報告書」に記載されています。
以下に海綿骨への影響を示した画像の一部を表示します。
結果
大腿骨遠位骨幹端付近を走査電子顕微鏡(SEM)により拡大して観察すると、いずれの群においても皮質骨表面の全体に無数の小さな凹凸が認められた。
しかし、COではこのような構造がみられない平滑な部位も多く存在し、60Kおよび80KもCOと同様であった。
各群の皮質骨表面における平滑な部位の比較
上段:マクロ写真(矢状割断後、次亜塩素酸ナトリウム処理)
下段:走査電子顕微鏡により、上段の赤ワク部分を拡大
各群の二次海綿骨の骨梁構造を実態顕微鏡下でみると、肉眼的にも明らかにHSおよび40Kの骨梁はCOに比べて細く、SEM像でも同様な所見が得られた。
60Kの海綿骨においても細い骨梁が存在するが、HSや40Kに比べて密度が高く、また、80Kでは密度の高いことに加え、太さもCOとほぼ同様のものが多く認められた。
各群の二次海綿骨における骨梁構造の比較
上段:マクロ写真(矢状割断後、次亜塩素酸ナトリウム処理)
下段:走査電子顕微鏡により、上段の赤ワク部分を拡大
CO:正常状態 HS:不動化状態 40K:不動化後40kHz通電 60K:不動化後60kHz通電 80K:不動化後80kHz通電
ポリクローム染色を施した脱灰パラフィン切片で、各群の一次および二次海綿骨を観察すると、二次海綿骨に関してはHSの骨梁が著しく疎で細かいものが多かった。
また、40Kから80Kになるに従って、骨梁は徐々に太くなるとともに密度が上昇してCOに近づいた。
各群の一次海綿骨における骨梁構造の比較(脱灰パラフィン切片、ポリクローム染色)
上段:大腿骨遠位骨幹端の弱各像
下段:上段の図の赤ワク部分の拡大像 P:一次海綿骨